衛生学・公衆衛生学・疫学・統計学・臨床検査学:第14回----・2つの検査を組み合わせた場合についてこれまでは、1つの検査における二項分類を扱ってきました。つまり、「有病者も無病者も」検査によって「陽性か陰性か」に判別されるため、2×2=4通りに分けられました。総数をN,有病率をα,感度をX,特異度をYとして、2×2表(四分表)を作成できます。(検査Aの感度をXa,特異度をYaとし、検査Bの感度をXb,特異度をYbとします)図1:検査Aによる2×2表、検査Bによる2×2表スライド1.PNGそれでは、独立した2つの検査を組み合わせた場合はどうなるでしょうか?検査が2つの場合は、「検査Aで陽性か陰性か」に判別された後に、「検査Bでも陽性か陰性か」に判別されますので、2×2の4通りあります。これが、「有病者においても無病者においても」あるわけですから、2×2×2=8通りに分類されます。図2:検査Aによって2×2分割されたものを、さらに検査Bで2分割した表スライド2.PNG・組み合わせた検査における陽性と陰性について検査Aと検査を組み合わせた場合、各検査によってそれぞれ陽性か陰性に判別されます。そのため、結果については①:「検査A陽性・検査B陽性」,②「検査A陽性・検査B陰性」,③「検査A陰性・検査B陽性」,④「検査A陰性・検査B陰性」の4パターンに別れるわけです。組み合わせた検査における、陽性か陰性かについては、「①を陽性,②+③+④を陰性」にする場合と、「①+②+③を陽性,④を陰性」にする場合が考えられます。Ⅰでは、「検査A陽性かつ検査B陽性」を陽性、「検査A陰陽性または検査B陰性」を陰性としています。Ⅱでは、「検査A陽性または検査B陽性」を陽性、「検査A陰陽性かつ検査B陰性」を陰性としています。図3:検査Aと検査Bを組み合わせた2×2×2表スライド3.PNGⅠ:「①を陽性,②+③+④を陰性」「検査A陽性かつ検査B陽性」を陽性※感度=XaXb αN / αN=XaXb「検査A陰性または検査B陰性」を陰性※特異度={YaYb (1−α)N+Ya(1−Yb) (1−α)N+(1−Ya)Yb (1−α)N / (1−α)N}=YaYb+Ya(1−Yb)+(1−Ya)Yb図4:Ⅰ「検査A陽性かつ検査B陽性」を陽性とした2×2表スライド4.PNGⅡ:「①+②+③を陽性,④を陰性」「検査A陽性または検査B陽性」を陽性※感度={XaXb αN+Xa(1−Xb) αN+(1−Xa)Xb αN} / αN=XaXb+Xa(1-Xb)+(1-Xa)Xb「検査A陰性かつ検査B陰性」を陰性※特異度={YaYb (1−α)N} / {(1−α)N} =YaYb図5:Ⅰ「検査A陽性または検査B陽性」を陽性とした2×2表スライド5.PNG・2つの検査を組み合わせた場合の最終的な感度と特異度Ⅰ:両方とも陽性で最終的に陽性(一方が陰性で最終的に陰性)※感度=XaXb※特異度=1-(1−Ya) (1−Yb)=Ya+Yb-YaYb=YaYb+Ya(1−Yb)+(1−Ya)YbⅡ:一方が陽性で最終的に陽性(両方とも陰性で最終的に陰性)※感度=1-(1−Xa)(1−Xb)=Xa+Xb-XaXb=XaXb+Xa(1-Xb)+(1-Xa)Xb※特異度=YaYbAおよびBで陽性となる検査の場合は、「最終的な感度がAおよびBの感度の積」となり、AおよびBで陰性となる検査の場合は、「最終的な特異度がAおよびBの特異度の積」となります。なお、4パターンの感度や特異度の合計はそれぞれ1となることから、4パターンをまとめて2パターンにした場合には、陽性側の感度がXならば陰性側の感度は1-X、陰性側の特異度がYならば陽性側の特異度は1-Yになります。「AND検査」の場合は感度や特異度が積になるので計算しやすいですが、「OR検査」の場合は1から反対側の感度や特異度の積を差し引く方が簡便になります。図6:ⅠとⅡのまとめ 6.png検査Aと検査Bの結果で2×2表を作成すると、「両方とも陽性なら最終的に陽性」にすると「一方が陰性なら最終的に陰性」になること、「一方が陽性なら最終的に陽性」にすると「両方とも陰性なら最終的に陰性」になることがわかると思います。つまり、「AND陽性」と「OR陰性」は相補的な関係となっており、「AND陰性」と「OR陽性」も相補的な関係になっています。図7:検査Aと検査Bの結果の2×2表スライド7.PNG----

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  • 1:検査の精度と感度・特異度
  • 3:尤度比と陽性適中率・陰性適中率
  • 5:ベイズの定理と尤度
  • 6:感度・特異度から適中率を求める方法
  • 14.5:組み合わせた検査の陽性適中率